ライフスタイルに合わせた支援体制
全国の皮膚科医師は約4割が女性で、他科と比較すると高い割合であることがわかります。しかも各年代別に見ると30代では7割が女性です。そのため、女性が活躍することができなければ組織は成り立ちません。
北大皮膚科も教室員の4割が女性であり、産前・産後休業や育児休業をはじめとした子育て支援のシステムを構築・運用するなど、様々なライフイベントに対応できる体制づくりをしています。育休後の当直免除や、外勤があっても保育園のお迎えに間に合うよう配慮したりと、医局全体で「サポートする」という雰囲気が醸成されています。一方で産休・育休、時短勤務などをカバーするには、当然ながらマンパワーが必要不可欠です。マンパワー確保のために、専攻医教育をコツコツと続けることで、魅力的な医局であり続けることを目指しています。このように北大皮膚科では、キャリアアップしたい女性医師が働きやすい環境づくりに力を入れています。
女性教室員からのメッセージ
得地 景子 先生(2010年卒)
私は2012年に入局し、入局5年目に結婚しました。北大病院には「すくすく育児支援プラン(すくすく枠)」という、未就学児を持つドクターのための時短勤務の枠が確保されているため、子供を作るタイミングに迷うことはなく、無事に翌年の7月に第1子を出産しました。子供が9か月になる頃にすくすく枠を利用して復帰したのですが、週3回の勤務で16時頃までには保育園にお迎えに行くことができ、当直も免除して頂けて、とても恵まれた環境で働かせて頂きました。そんなある日、現在の研究室の指導医の先生から「先生は、もう臨床出来るんだから少し研究もやってみたら?」とお声をかけて頂きました。確かに、臨床医として経験を積むなかで、もう少し皮膚科学の世界を深くまで覗いてみたいと考えることもありましたが、小さい子供もいるし、これから研究を始めるのは無理だろうと諦めている自分がいました。しかし、その先生の言葉により、「子供がいても自分のキャリアを諦めなくて良いんだ!」と、自分の世界がぱっと開けたような気持ちになりました。その言葉が後押しとなり、翌年から皮膚悪性腫瘍の研究に携わらせて頂くこととなりました。研究室に入ってからも、専門医試験の時期にはその勉強に専念させていただいたり、第2子を妊娠・出産に関してもサポートいただいたりしています。第2子の時には生後6か月で復帰したのですが、敷地内の保育園に預けられたため、3時間毎に授乳に行くことができ、完母での育児を継続できました。
私の他にも育児をしながら研究をしている女性の先生はいらっしゃって、皆さんいきいきと働いています。これからの妊娠・出産のタイミングに迷っている先生や、育児とキャリアの両立に不安のある先生には、ぜひ一度当教室の見学に来て、雰囲気や現場の声を聞いていただきたいです。
山賀 三紗子 先生(2018年卒)
私が皮膚科医を志したのは目に見える臓器を扱い、視診と触診で多くの情報を得られることに面白みを感じたからです。また、診断から治療まで一貫してできることも魅力の一つだと思います。初期研修で皮膚科を回った際に、科内の雰囲気が良かったことも決め手の一つでした。当科は週1回の研修医対象の勉強会、皮膚病理ティーチング、カンファレンスでの症例発表など、研鑽を積むのに最適な環境が整っています。また後進の育成に熱心で、指導体制が整っていることが特徴です。手術に関しては、上級医の先生から指導を受けながら執刀する機会を与えて頂き、とても充実した日々を過ごしています。
当科には仕事と家庭を両立している先生方が沢山いらっしゃいます。私自身、今後のライフプランに妊娠・出産を考えており、その支援が整っているかどうかは入局する際に大切なポイントの一つでした。北大には「すくすく育児支援プラン」や院内保育園が備わっており、当科でも利用している先生方が多くいらっしゃいます。出産や育児休暇復帰後のサポート体制により、皮膚科医としてのキャリアを諦めることなく続けていくことができると思います。