皮膚癌

人生100年時代と称され高齢化社会が進む中、皮膚癌の発生は年々増加しています。皮膚癌のほとんどは紫外線が原因であり、多くは顔や頸部などの露光部に生じます。初期の段階で発見されることが多いため、基本的には外科的切除のみで根治が可能です。しかしながら、遠隔転移をきたすような進行例になると、化学療法などの全身療法が必要になることもあります。皮膚は他の臓器と異なり体表面上から「見える」臓器であるため、もしも違和感があるようなら、早めに皮膚科を受診し専門的に診てもらうようにしましょう。

近年、悪性黒色腫を筆頭にあたらしい治療薬が増えてきています。従来の抗がん剤とは異なり、腫瘍免疫を活性化させることで抗腫瘍効果を発揮する免疫チェックポイント阻害剤や、EGFR、BRAF、MEKなどの特定の分子をターゲットとした分子標的薬などがそれに当たります。期待される効果の反面、免疫関連有害事象などの特徴的な副作用のマネジメントも求められます。当科においても、これらの新規薬剤を使用して治療しています。有害事象の早期発見・対処ができるよう、他の診療科と密に連携しています。

北大皮膚科では、今後も引き続きすべての手術患者のお一人お一人に対して、最良の結果を追求しつつ、日々精進をして参ります。